選択理論心理学について

概要

 アメリカのウイリアム・グラッサー博士が提唱した心理学です。人は内発的動機付けにより自発的に行動するという考えを基にし、人が自分の外のことをどのように認識し、行動するかという仕組みを説明しています。

 

 人生の目的は「幸せになること」であり、人の責任は「他者の欲求充足の邪魔をしないで、自己の欲求充足を行うこと」と考えられています。また、他者を変えることは出来ず、自分が出来ることは情報提供だけと教えています。

 

 この心理学を構成する代表的な概念として「基本的欲求」「上質世界」「全行動」「知覚のシステム」があります。

 

 

・基本的欲求

人が生まれたときから持っている欲求であり、「生存」「愛・所属」「力」「自由」「楽しみ」に分類されています。それぞれの欲求の強弱は人により異なり、一生変わることはなく、これらの欲求を満たすために人は行動していると考えられています。

 

・上質世界

その人が自身の基本的欲求を満たすと考えているイメージの集合体。基本的欲求とは異なり、何らかのきっかけがあれば、貼り変わったり、剥がれ落ちたりすることがあります。

 

・全行動

人の行動を「行為」「思考」「感情」「生理反応」に分類しています。「行為」と「思考」は自分で制御しやすく、「感情」と「生理反応」を制御することは困難です。しかし、この「感情」と「生理反応」で自分の行動の方向性が適切かどうかを判断することが出来ます。

 

・知覚のシステム

人が外部から情報を取り込むためのシステムです。人は五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を用いて外部から情報を取り込みます。取り込んだ情報を「知識のフィルター」と「価値のフィルター」からなる「知覚のシステム」で処理することで、五感で取り込んだ外部の情報を自分自身に関係する、どのような価値のある情報なのかを知覚します。

 

 

 選択理論心理学は、自身の日常で用いることが出来るだけでなく、カウンセリングに用いると「リアリティーセラピー」。ビジネスで用いると「リードマネジメント」。学校で用いると「クオリティースクール」となり、様々な場で活用することが可能です。